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当事者と家族 2023.07.19

こんにちは!職員の石垣といいます。

今日は依存症の方の支援をしている中で常々難しさを感じていることを書こうかなと思います。

それは依存症当事者と家族との関係性です。

依存症は家族を巻き込む病気と言われていますが、そういうこともあり家族関係が良好という方は少ないのではないかと感じています。

なぜ依存症は当事者と家族の関係を悪くしてしまうのか…

それは依存症という病気により家族が当事者によって受けた心の傷は、想像を絶するものであるということが大きいのではないかと思います。

ここは残念ながら迷惑をかけた当事者には分からない部分です。当事者の方も分かろうとしていると思いますが、本当の苦しみはそれを経験した家族にしかわかりません。そしてその苦しみはおそらく生涯消えないものであると感じます。

いくら当事者の方が回復に向かっていたとしても

(また嘘をつかれ裏切られるのではないか…)

(また借金していたらどうしよう…)

こういった不安に駆られていると、もしかしたら回復に向かって元気になっている当事者を見るだけでも

(何で家族の私たちは苦しんでいるのに、本人は平然と暮らしていられるのだろう)

(やってきたことを忘れたような振る舞いが許せない)

といった感情と回復を喜びたい感情の葛藤に悩まされながら、家族は苦しい日々を送っているのかもしれません。

 

 

一方で当事者の方ももちろん大きな苦しみを抱えています。

ミーティングで当事者の方から色々な家族への想いを聞くことがあります。

「外出するだけで、家族から怪しまれているのではないかと考えてしまい外出できない」

「実際にスマホをチェックされる」

「自分がしたことだから、家族から責められてもしょうがないが、やってないのに疑われるのは辛い」

「タバコも吸えるような立場じゃないだろと言われる」

「回復に向けて頑張っているのに分かってもらえない」

実際に感じるのは、当事者の方でこれらの辛い想いを家族に伝えられる人がほとんどいないということです。

「家族に言うと傷つけてしまう」

「家族に言うと責められてしまう」

「家族にだけは言えない」

気持ちを分かりあうためには、伝えあうのが一番の解決方法ですが、それが一番できない関係なのが依存症家族なのかもしれません。

お互いの求める気持ちは「回復したい」「回復してほしい」という共通の目標のはずなのに、お互いの気持ちを伝えられない、また一方通行になるといったことが関係をこじらせるのかなと感じております。

 

とても難しい問題だと思いますが、フィールではこれからも当事者に向けた回復プログラム、家族に向けた勉強会という双方の支援に関わらせていただきたいなと思います。