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卒業/お伝えしたいこと 2024.06.29

こんにちは。以前通所していた別施設からライフトレーニングに移り、計2年間が経ちこの度卒業の日を迎えました。
断酒期間は1年9ヵ月になろうとしています。
断酒が1年間続くと再発の確率が大幅に低下することを知り、まず達成しようと決めました。
働きながらの通所でしたので、ライフのプログラムの中でも、認知行動療法・怒りのコントロール方法、自己理解、 適度な余暇活動など、飲酒衝動になりうるストレスを、極力自己管理できるようになることに重きを置いたスケジュールを職員さんたちと組みました。
人生のうち約半分をお酒に溺れて過ごした私は回復のために多くを学ぶ必要がありました。
ただ、そのスタートラインに立つために不可欠なのが、
「自力で依存症から回復することはできないと認めること」と知りました。
私の場合、それだけのことをクリアするのに3か月を要しました。
自分でなんとかなる、なんとかしなければいけないとばかり思っていたからです。
私はお酒を飲むと周りに迷惑ばかりかけました。そのたびに考えはどんどん悪い方に向かいました。今度こそ自分の力で、誰にも頼ってはいけない、頼る資格がない…
家族を含め、周りの忠告やアドバイスは、全く耳に入ってきませんでした。
身近に依存症当事者がおられる方の中には、本人に何度言い聞かせても、約束しても、裏切られ、どうしてこんな悲しい目に遭わされるのかと、怒りも感じるような経験をされた方がいらっしゃると想像します。
言い訳にしか聞こえないことを承知で書きますが、依存症は病気です。
依存行為や依存物質により、脳の信号がおかしくなり意思とは別のものに支配された状態です。
本人の意思に見えて、もう違っているのです。
当事者は周りの人たちへの良心から、ますます止めたいと頑張りますが、止められず、負の連鎖におちて同じことを繰り返します。
そんな状態の当事者の心に寄り添えるのは、同じ当事者の言葉、あるいは依存症を病気と認めて いる識者 (専門医師や、福祉相談員、自助グループの方々、ライフでは職員の方々など) の言葉だろうと思います。身近の方々には重ねてショックなことを書いてしまっているかと思います。申し訳ございません。
話が戻りますが、自力で治そうという気持ちのままでは、誰の何の言葉であっても受け入れが困難となります。ですから、依存症に対して自分は無力だと認めることが、もっとも重要になるのです。
ライフで出会う当事者の方々は、どうして依存症なんかになったのか未だに信じられないほど、優しく、まじめな方々ばかりです。依存症で変化してしまった脳は元に戻せないけれど、良心まで失っている方を見たことはありませんでした。
「自分でなんとかしたくて、できなくて、嘘ばかりついていた。ライフでありのままを話すうちに、嘘をつくという行為自体が大きな苦痛になっていたと分かった」というようにおっしゃる方も多く、ありのままをお話しされる表情は、どこか安心したような、柔らかいものに感じました。
病気を受け入れてからの私の回復はとても速いものでした。アドバイスやブログラムが素直に耳に入るようになりました。
ライフのみなさんを頼ろう、頼っていいと思えることが、心をおだやかにしてくれるとともに、断酒を継続するための精神的支柱でした。
卒業にあたり、ライフから離れることに正直不安が残りますが、職員さんにいただいた励ましや、利用者の方々とお話しできた楽しい日々を忘れず、学んだことを活かしてこの先どのような償いを自分はできるのか、一生考え、実行していきます。
関わってくださったすべてのみなさま、ほんとうにありがとうございました。
利用者/アルコール依存症